第6回 株式会社 イヨベ工芸社

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東家工事務局 第6回は イヨベ工芸さん

現代の名工に選ばれた イヨベ工芸社 五百部喜作さん 
桐たんす 相徳 井上は事務局に代わって 御報告します。
以下 文責は 井上にあります。



2000年11月20日 労働省より発表された
「現代の名工」に 東京都家具工業組合の組合員 
イヨベ工芸社の 五百部喜作さんが選ばれました。

以下 速報ということで
紹介記事などを御紹介します。

読売新聞
2000年11月21日

技術磨きつづけた45年

現代の名工
五百部 喜作さん(イス張り技術者)

 労働省の「現代の名工」が二十日発表され、
都内関係では、イス張り技術者として、国会議事堂や迎賓館のイスなどを手がけた
五百部さん(59)ら十一人が選ばれた。
四十五年近く、木製家具の製作に打ち込んできた五百部さんに話を聞いた。
 「たくさんいい製品を見ることが、技術向上につながる。」と、
経営する家具製造会社の若い社員に、いつも話して聞かせる。
衆議員委員会のイスの新調や、迎賓館のイスの張替えなど豊富な経験に裏打ちされた言葉だ。
 中学校卒業後、栃木県藤岡市から上京。
都内イス製作所に就職。イス張り職人の修行が始まった。
 仕事はまず材料の出し入れから。休みは毎月一日と十五日の二日だけで給料は小遣い程度。
銭湯では、先輩の背中を流した。
 修行中の五十八年、当時皇太子だった天皇陛下のご成婚に使われる馬車のシートの張替えを、
兄弟子と二人で任された。
 二十三歳を目前に独立。技術が早く身に付いたのは、
「兄弟子が弟子たちに同じ仕事を与え、
良くできた者には『さらにいい仕事を』と、競わせたくれたから」と振り返る。
 「(イスを)張るだけでなく、ひとつの完成した製品を作りたい」と木工などの技術も学んだ。
現在では官庁や、公共施設、大学、企業などに備え付ける特注品のほか、
白社ブランド製品などを送り出す。
 機械化が進んでも、最後に革や布を張る作業は人の手が省けないのがイス作り。
「まず姿がきれいで、座ったときに体にフィットする。
それも、リラックスする時のイスなのか、仕事をするイスなのかで違う」−。
「いいイスとは」を語らせれば、話は尽きない。
 経営者としての仕事に追われるが、新製品の試作に腕を振るい、
「十メートル先にあっても、張り方が悪い椅子はすぐ分かる」と製品の仕上がりに目を光らせる。
 「難しい経営の話をしているよりも、現場で仕事をしていた方が楽しい」というのが本音だ。
 このほか都内関係の表彰者は次の通り。(敬称略)
金属熱処理工・広田公大(55)(埼玉県富士見市)▽研ま盤工・遠藤修(59)(青梅市広末町)
▽光学レンズ工・横田地之 (60)(板橋区大原町)
▽配電盤、制御盤組立、修理工・岸辺重正(46)(清瀬市野塩)
▽婦人、子供服仕立職・秀島厚子(65)(川崎市)▽男子服仕立職・富家正道(58)(江戸川区船堀)
▽室内装飾工・佐藤岩夫(57)(足立区綾瀬)▽毛筆製造工・広瀬耕三(66)(文京区根津)
▽ 日本料理人・小畠弘太郎(66)(川崎市) ▽西洋料理人・緑川広親(60)(埼玉県川口市)


「腕一本」の
近代的椅子製造技術の先駆

五百部 喜作
木製家具製造工
経歴   「いよべ きさく」昭和十六年二月一日生、五十九歳。
三十年栃木県藤岡第二中学校卒。同年泣с}ト製作所椅子張り職人見習、
三十八年桜井製作所鞄社、
三十九年イヨベ工芸者創業、四十三年改名し潟Cヨベ工芸社代表取締役、現在に至る。

「腕一本」の近代的椅子製造技術の先駆
 住みこみで7年間、家具製作・椅子張り作業を修業、その2年後に創業、
木製家具、高級椅子の製造を始めました。
昭和46年に椅子製作の先進国、
アメリカの家具メーカーで世界でも有名な椅子のひとつである「ポロックチェア」の製作に携わり、
安全で快適な椅子の製造技術、工程管理を学び技術向上に努め、
日本の近代的な椅子製造技術の先駆として、業界の第一人者として高い評価を受けています。
 修業時代から高品質を要求される駐日各国大使館、国会議事堂などの
高級椅子の製造・修理に従事、
天皇陛下(当時皇太子)のご成婚(昭和34年)に使われた馬車の内装張替え作業にも参加し、
若い頃からその技術は高い評価を受けていました。
 50年に1級椅子張り技術士に合格した際は、
特に成績優秀で中央技能検定協会長から表彰されています。
平成6年には木材工芸科の職業訓練指導員免許を取得、
9年に2級建築施工管理技士の資格も得ています。

 木製家具で初の国際規格取得
 現在も経営者であるとともに技術者として「腕一本」技術の確かな家具造りをスローガンに、
近年は迎賓館、衆議院の椅子・会議室大テーブル、
関西空港ロビーのベンチなどを製造しています。
 平成10年、わが国の木製家具めーかーとして
初の国際的な品質基準であるISO9001(国際規格・品質認証システム)、
翌年にはISO14001(国際規格・マネジメントシステム)を取得するなど、
業界の近代化、合理化の増進に多大な功績を残しています。

 平成7年全日本椅子張同業者組合連理事長表彰、
8年優秀技能者で都技能士会連合会長表彰、
優秀技能者都知事表彰(9年)を受けています。
 現在、東京椅子張同業者組合連、都技能士会連副会長などを務め、
業界発展、後進技能者の育成指導に熱心で
関連会社を含む従業員(125人)のうち、
1級技能士24人 各種検定合格者約40人を養成しています。
2000年12月5日
朝日新聞

現代の名工
いす張りでトップの座

「腕一本で生きたい」。五百部(いよべ)喜作さん(59)は
15歳で栃木県から上京し、いす張り職人に弟子入りした。
そこで国会議事堂や大使舘などのいす製造に携わり、
22歳で独立。米国でデザインいすの製作を学んだり、
欧米のデザイナーと交流したりして、いす張り職人の先駆となった。
 技術が仕事を呼び、仕事が人を呼んで、
会社はいまや職人だけで百数十人を抱える。
その陣頭指揮に立ちながら、
最近は高齢者用のいすや、狭いオフィス向けのいすの開発にも力を入れる。
頭の中にあるのは「21世紀のいす作り」だ/

今回は 関連記事だけの紹介になってしまいました。
また 改めて 御紹介いたしたいと思います。